「国際的なセンスを持ったスゴ~イいい人」とアグネスがベタぼめする金子さんとは、3年前から、タレント、マネジャーの仲。新居は横浜に新築中――
うれしさがこみ上げてくるような表情をしたかと思うと、ふっと祈るようなまなざしになったり・・・・。
東京・麻布台のサウンドシティスタジオで、満座の中で記者会見するアグネス・チャンのあの顔がいきいきと輝いていた。
「ことしの2月、NHKのお仕事で中国の貴州に行ったとき、彼は同行した私の母にとてもやさしく気をつかってくれました。わたしとは生き方が同じ人なんです。それに国際感覚もあって。わたしは金子さんを知って、国籍や民族よりも、やっぱり人間がすべてなんだなあと思いました。すご~くいい人なんですよぅ・・・」
これは、うれしさがこみ上げてくる表情のほうだ。
そして、祈るような顔になったときは、こんなふうに。
「母は、私を中国人と結婚させたかったようなんです。それに、結婚の日取りや場所を占い師に聞いてから決めたいようだし・・・」
占い師の結果が、結婚はダメといわれたら、という質問がでると、
「最終的には金子さん次第なので私は自信を持ってるんですけど、でも、もしダメだといわれても、・・・40歳まで待てばわかってもらえると思います」
この日、アグネス・チャンがたったひとりで記者会見に応じたのも、じつは、香港に住む彼女の母親の陳彭端淑さん(57歳)がまだ確実な了解をしていないからだ。
| アグネス・チャン。今年で30歳になった。香港出身。昭和
|47年『ひなげしの花』をひっさげてデビューしたとたんに日
|本中のアイドルとなる。9年前には、上智大学からカナダのト
|ロント大学に留学、社会児童心理学を専攻。53年に卒業後、
|『アゲイン』で見事にカムバック。日本だけでなく香港や中国
|でも人気抜群だ。昨年、『歌で平和を・・・』という論文で国
|際平和論文特別賞を受賞。『世界平和シンポジウム』にも参加。
|北京のチャリティー・コンサートも大成功。アイドル歌手から
|”可愛い国際知性派タレント”へと着実な変身をみせている。
そんな彼女の婚約者としては、陳彭端淑さんの目に金子さんは若すぎるように見えるのだろうか。
金子力。昭和29年3月17日生まれの31歳。早稲田大学社会学科卒。渡辺プロダクションに入社して、ジュリーや速水陽子のマネジャーをしたあと、57年からアグネス担当マネジャーとなった。アグネスの”知性派”への変身は彼の”功績”だともいわれている。ことしの7月に渡辺プロを退社。いまは横浜市内で清掃会社を経営する父親の仕事を手伝うという話も・・・。
「自分の生き方を大切に」といった彼と2人だけのデートは未経験
渡辺プロ関係者は、金子さんのことをこんなふうにいっている。
「身長約175センチ。いつもネックレスやブレスレットをしているダンディーな人。でも仕事熱心で事務所には遊び仲間はいません。2年くらい前から彼とアグネスは接近しているなと思ってたんですが、7月に彼が退社すると聞いて2人は結婚するんだなとピーンときました。うちではタレントとマネジャーの恋愛はご法度になってますから」
・・・すると、2人の間には3年間もの”忍ぶ恋”があったのだろうか。
アグネスはこういう。
「私、去年までは中国人と結婚しようかなと思っていたんです。だからこれまでは6人の男性とお見合いを香港でしてきました。でも、NHKのお仕事で貴州へ行ったときに、はじめて彼から、”付き合おうよ”といわれて・・・。私は結婚する気のない人とプライベートなお付き合いをするつもりはありませんでしたから、お付き合いするようになってからは、自然に結婚のほうへ心が傾いてきました」
ただし、2人がこれまでにデートをしたのは数回映画を見にいっただけ。そのときも必ずスタッフが一緒だったのだそうだ。だから、
「まだ2人だけのデートは1度もないんです。2人だけになるのは、結婚してからのほうが、ずっと長いから・・・」
そう語るときの彼女の表情は真顔だ。
”忍ぶ恋”どころか、あまりにも”古すぎる恋”だったのだろうか。
「いままで私にはたくさんのマネジャーがついてくれましたけど、みんな、早く清純派から大人に脱皮したほうがいいといってました。でも彼だけは、自分の生き方を大切にしたほうがいいよ、といってくれたんです」
そういえばもうひとつ。金子さんには離婚歴があるのだが、この点についてもアグネスの気持ちはなんのわだかまりもかくなっているようだ。
「そのことについては、彼が自分で、ぼくは生まれ変わったから、といってましたし、まったく気にしていません」
少女のような顔をした30歳のアグネス。
30歳の女心が少女のように上気していた。
香港の母親を気遣うアグネスの”女心”
じつは、アグネスは、この8月19日に、金子さんと両親を連れて香港の自分の母親のところに正式なあいさつにいっている。
あまりに突然のことだったからだろうか、そのときは彼女の母親はすぐに積極的なOKサインを出さなかった。
「占い師にも相談してみないと・・・」
というのは、返事をいったん保留したいということだったのにちがいない。
でもアグネスは、
「10月にはビザの書き換えで私はもう1度香港へ行きますから、そのときには正式なOKがもらえると思ってます」
といっている。
一方、金子さんは、横浜市戸塚区に、着々と2人のための新居を建築中(年内完成)だ。
そして渡辺プロダクション関係者も、
「ことしの暮れから先のアグネスのスケジュールはまったくの空白になってます」
全ての準備はいまひとつの方向に向かって整えられている。その方向の示すものは、
「来年の1月、結婚」
もうこの流れは、アグネスの母親にも押しとどめることはできないだろう。
「中国やカナダの親戚も呼び、家族会議を開いて相談する」
という陳彭端淑さん。
でも、日本の芸能界にも国際結婚はもうめずらしくなくなっている。
| 夫が日本人で妻が”外国人”という主なケースを拾ってみる
|と西川きよし・ヘレン夫妻(42・9・27結婚)、梅宮辰夫
|・ビッキー夫妻(47・3・20結婚)、千昌夫・シェパード
|夫妻(47・8・8結婚)、出門英・ロザンナ夫妻(50・2
|・15結婚)、式場壮吉・欧陽菲菲夫妻(53・4・16結婚)、
|布施明・アリビア・ハッセー夫妻(55・2・18結婚)、安
|永修行・イーデス・ハンソン夫妻(59・5・24結婚)など
|の組み合わせがある。
| むしろ、日本人同士の結婚よりうまくいっているような感じだ。
金子さんの母親のくらさん(55歳)がいっていた。
「アグネスさんは、香港で1度、東京で1度、前後2回しか会っていませんが、さわやかで控えめで、とてもいいお嬢さんだと思いました。国際結婚には風習の違いなどむずかしいこともあるかもしれませんが、それを克服してくれるのではないかと思ってます」
最後にもう1度、アグネスの言葉を紹介しておこう。
「結婚指輪は大きいものでも小さいものでもどっちでもいいんです。でも結婚式は、日本の文金高島田もとてもきれいだと思いますが、できれば香港でやりたいと思ってます」
彼女の母親への思いやりがこの言葉の中に切実に匂っているように思えるのだった。
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