１９８５年

掲載紙：	サンケイスポーツ
日付または号数：	１９８６年１月１２日
主題：	アグネス感激
副題：	金子力氏と香港で挙式
本文：	［香港１１日＝共同］テレビの司会などで幅広く活躍し、信州大学講師就任も決まった香港出身の歌手、アグネス・チャンさん（３０）が１１日、元マネジャーの金子力（つとむ）さん（３１）と、香港島にあるカトリック教会で華やかな結婚式を挙げた。　　　◇ 　午前１１時４５分（日本時間午後零時４５分）からセントジョンズ大聖堂で始まった式には、二人の家族、親類、友人のほか、日本の報道陣やファンら６００人以上が詰め掛けた。純白のウェディングドレスに身を包んだアグネスさんは真っ白のロールスロイスに乗って教会に到着。賛美歌が流れる中、兄のポール・チャンさんに手を引かれて神父の待つ祭壇前まで来ると、感激のあまり涙がほおを伝った。　ジェームズ・ワン神父が英語で「金子さんとの結婚を望みますか」と尋ねると、アグネスさんは「イエス」とはっきり答えた。二人は「一生愛し合う」との誓いの言葉を簡単に交わした後、結婚指輪を交換、金子さんがアグネスさんのほおに軽くキスした。　有名タレントの国際結婚だけに、取材競争は異常に過熱。数十人のカメラマンが祭壇に上がったり、教会の中を走り回るなどして、神聖であるべき結婚式が騒々しくなり、列席した欧米人たちは顔をしかめていた。新郎新婦が式を終えて教会の前でインタビューや写真撮影に応じたときも、数十人の警察官が輪をつくって二人を報道陣から”隔離”したほど。　場所の取り合いをめぐって、日本から来たテレビ取材団と地元記者団との間で、つかみ合い寸前のけんかもおき、「クレージーで、商業主義的な結婚式」（ある米国人記者）と批判する人もいた。この後、九竜半島側のリージェント・ホテルでの茶会、大マージャン大会に続いて、夜から盛大な披露宴が開かれた。　　　◇ なお、この日の挙式の模様は、１５日東京で行われる披露宴やアグネスの故郷・中国大陸の風景などとあわせて１８日午後１時から「なるほど・ザ・おめでとうスペシャル・アグネス・チャン結婚式」のタイトルで放送される。