作家としてのアグネス


 アグネスもまた、他のアイドルと同様、イラスト集、詩集、エッセイを執筆している。アグネスならではというものでは、英語教則本、香港旅行案内、中華料理本がある。いずれも彼女の感性と知性を感じさせる本である。とくに「ひなげし語録」あたりから、少々辛口のエッセイが多くなり、興味深い内容となっている。
 以下は、当然'85年までの著作だが、これ以降、彼女は怒濤のように本を書いていく。歌手というより、作家と呼んだ方がふさわしいくらいである。歌に対する考え方が微妙に変化していったことと関係があるようである。
 個々の作品については触れないが、ひとつだけ紹介する。「アグネスの香港指南」からで、ここで彼女は香港の人の名前について話している。つまり、香港の人々は中国名のほかに、英語名を持っているというのである。で、日本人も香港に行くときは覚えやすいニックネームを考えておくといい、といっている。「――たとえば、『つとむ』だったら『トム』とか、『としひこ』だったら『トシ』とか、――」
 この本が出たのは1985年6月。彼女の中で、もはや無視できない存在になっていたのだろう。茶目っ気たっぷりで、ほほえましい限りである。「トム」は「トーマス」の愛称であり、もちろん「トマス&アグネス」の「トマス」でもある。
 なお、著書ではないが、彼女の写真集も何冊か出ている。著者の知るものについて挙げておく。

 また、MeiMei氏の情報により、アグネスのもうひとつのイラスト集があることが分かった。これは彼女をキャラクターとした、子供用自転車の付録だったようだ。発行時期は定かではないが、1975年ごろと推定される。
 MeiMei氏には、「不思議の国のアグネス」のカバーも提供いただいた。この場を借りてお礼申し上げる。





  タイトル    初 版    内 容     出版社     カバー  
小さな恋のおはなし 1974/12/05 イラスト詩集 ワールドレジャー
小さな恋のおはなし Part II 1975/08/20 イラスト詩集 ワールドレジャー
アグネスのサイクル絵本 1975年頃 イラスト詩集 ブリヂストン自転車/
集英社
小さな恋のおはなし Part III
恋のメロディー
1976/06/01 イラスト詩集 ワールドレジャー
また逢う日まで 1976/11/20 エッセイ ペップ出版
鈴木武樹とアグネス・チャンの
英語の時間です
1977/01/10 英会話教則 サンリオ Sorry, no photo available
お元気ですか
LOVE LETTER from AGNES CHAN
1977/05/31 エッセイ ペップ出版
ハッピーアゲイン 1978/09/10 エッセイ 二見書房
不思議の国のアグネス 1979/07/05 イラスト詩集 六興出版
HAPPY ENGLISH
英語は目で覚えよう
1980/01/14 英語教則 集英社
アグネス・マイ中華 1983/11/12 料理 誠文堂新光社
ひなげし語録 1984/05/10 エッセイ 現代出版
アグネスの香港指南 1985/06/01 旅行案内、エッセイ 講談社
歌で平和を
- 帰ってきたつばめ -
1985/06/30 エッセイ 徳間ジャパン
E.T.2
緑の惑星
1984/10/21 ストーリブック(絵本)
<翻訳>
CBS・ソニー出版
ひなげし語録2
愛がみつかりそう
1984/11/15 エッセイ 現代出版
*)MeiMei氏の好意による。



<写真集>
  タイトル    初 版    出版社     カバー  
ヤング・アイドル・ナウ
第4集
1974/02/01 ケイブンシャ
ヤング・アイドル・ナウ
第12集
1975/03/01 ケイブンシャ
ヤング・アイドル・ナウ
第22集
1978/02/01 ケイブンシャ





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